2008年7月9日水曜日

青木先生のカンファレンス

当院で定期的に行なわれる、青木眞先生による感染症カンファレンス。

今年度は3回目となります。





前回はペニシリン~セフェムのお話。
今回はOther β-lactamということで「カルバペネム」のお話しから入りました。

普段、カルバペネムに関しては適応に関して口をすっぱくして教えてはいるものの、今日改めて講義を聴いて、みんなの頭もクリアになったと思います。

カルバペネムは、グラム陽性菌・陰性菌・嫌気性菌あらゆるものをターゲットにする。それぞれの菌に対しては、例えばStaphだったらPCG、E.coliだったらセフェム系という様にそれぞれ対応が可能である。

それでは質問。

「上記の細菌すべてを一度にターゲットにしなければいけない状況は?」

・・・苦し紛れに
「白血病の患者の腸管が破れて同時に熱傷になった場合ですかねぇ。。。」

つまりこれくらい特殊な状況でなければカルバペネムを出動させる必要がない、ということです。

血液疾患患者がSeptic shockになった場合でも、多くはGNRが起炎菌となるわけで、カルバペネムで嫌気性菌までカバーしてしまうと体を「守っている」菌まで殺してしまい、容易に菌交代現象が起こってしまいます。
Pseudoを狙うならPIPC+GMやCAZなどでよいのです。
MDアンダーソンのDrも同じ見解だそうです。

逆に、カルバペネムを使用しなければいけない状況もあります。
ESBL(Extended spectram beta lactamase)産生株の場合です。
E.coli, Klebsiella, Proteus mirabilisがときどき「R」で真っ赤に染まるとき、ESBLが疑われ、カルバペネムの良い適応となります。
CMZもIn vitroでは効くようですが、In vivoではダメみたいです。やめたほうがよいでしょう。


そして、カルバペネムのもう1つの出番は、

<患者の家族が医者の場合>

感染症治療が上手くいかなかった場合に、

  「PCGを使って治療したのですがダメでした。。。」

では‘世間のお医者様’は、なんでぺにしりんなんかで???となりますが、

  「チエナムを使って治療したのですがダメでした。。。」

ならば、そっか。仕方ないか。となるようです。(笑)



そして今日はやや話が脱線して、誤嚥性肺炎のお話しとなり、
アミノグリコシド、キノロン、ST合剤まで進みました。

アミノグリコシドは1回投与が原則です。

でも例外2つ。
 ・EnterococcusのIE
 ・妊婦

そして、腎機能が悪いヒトでも初回投与は通常量!



最後に、「今覚えておくと一生使える!!!」という表が示され、終了。

せっかくなので、ココに書きます。



★細胞性免疫障害のときに考慮すべき菌名★

(↓2エルエムエヌエスエス)
Legionella
Listeria
Mycobacterium
Nocardia
Sarmonella
(Staphylococcus)

Pneumocystis jiroveci
Aspergillus spp
Cryptococcus spp
Candida spp

Toxoplasma gondii
Strongyloides
Cryptosporidium
Isospora beli




次回は9月10日(水)

抗菌薬の残りの講義(+症例検討)の予定です。

2008年7月5日土曜日

画像カンファレンスの紹介

週に1回、画像カンファレンスを行なっています。



おもしろかったTeaching filmをご紹介いたします。
このカンファばかりはHistoryやPhysicalなんかは一切なしです。







◆これはなんでしょう???◆



<造影CT>


腸間膜の血管の走行に一致する糸状の石灰化像を認めます。

<腹部単純レントゲン>
拡大しないとわかりにくいかも。




<注腸造影>

上行結腸から横行結腸に限局した拇指圧痕像、壁の硬化、管腔の狭小化、壁の不整、ハウストラの消失を認めます。



Diagnosis

Phlebosclerotic colitis(静脈硬化性大腸炎)


知らなければ絶対に分からない。

知っていれば一発で分かる。

そんな症例でした。


参考までに。。。

http://radiology.rsnajnls.org/cgi/content/full/214/1/188

http://www.ajronline.org/cgi/content/full/184/5/1584

http://www.qqct.jp/seminar.php?id=1128