抗菌薬の講義の最終回(前回の続きでバンコマイシンから)
それに続いて症例検討会をしました。
今回は、おなじみの「しゃっくり」の症例を(懲りずに)出してみました。
詳しくは2回前のブログを参照ですが、結局われわれはあのあと抗結核薬を使いました。
髄液の糖が依然低値だったこと、意識状態がなんとなく良くなかったこと
これらが抗結核薬を使用するに至った理由です。
ステロイドも併用しました。
しゃっくりはとっくに治まっていましたが、この治療後、意識状態はやや改善傾向にあります。
ちなみに、結核性髄膜炎におけるステロイドのDoseに関しては、コンセンサスは無いようです。
そもそも症例が少ないため、Studyを組むのが困難ということがその理由だそうです。
この症例では、「細胞数上昇+糖の低下」がありました。
この場合、青木先生曰く
そうでないと分かるまで、結核性髄膜炎であると考えよ!
だそうです。(神経内科学の権威のAdamsというひとが言っていたそうですが)
この症例は、まさに結核性髄膜炎が非常に疑わしい状況であり、
比較的速やかに抗結核薬による治療を実行してもよかったのかもしれません。
青木先生も 誰よりも早く使うでしょう とおっしゃっていました。
ところが・・・
結局、この症例に抗結核薬はRetrospectiveにみたら必要なかったのでは?という結論に至りました。
この症例では、抗結核薬を使用せずに髄液の細胞数が600から100まで低下しているのです。
糖が上昇してこないのは気持ち悪いのですが、この未治療下での細胞数の低下は結核性髄膜炎としては矛盾するそうです。
カンファレンスに出せば出すほど謎が深まっていきます。
今のところ、なにひとつ病原体を捕まえることができず、結核の治療を行っています。
臨床的にはよくなっているのですが、自然経過なのか、治療の効果なのか、ステロイドで元気になっているのかは不明です。
次回は11月5日の予定です。
また症例を出します。
乞うご期待。