2008年9月10日水曜日

青木先生の感染症カンファレンス

青木先生がいらっしゃいました。

抗菌薬の講義の最終回(前回の続きでバンコマイシンから)
それに続いて症例検討会をしました。


今回は、おなじみの「しゃっくり」の症例を(懲りずに)出してみました。

詳しくは2回前のブログを参照ですが、結局われわれはあのあと抗結核薬を使いました。


髄液の糖が依然低値だったこと、意識状態がなんとなく良くなかったこと
これらが抗結核薬を使用するに至った理由です。
ステロイドも併用しました。

しゃっくりはとっくに治まっていましたが、この治療後、意識状態はやや改善傾向にあります。


ちなみに、結核性髄膜炎におけるステロイドのDoseに関しては、コンセンサスは無いようです。
そもそも症例が少ないため、Studyを組むのが困難ということがその理由だそうです。


この症例では、「細胞数上昇+糖の低下」がありました。
この場合、青木先生曰く

 そうでないと分かるまで、結核性髄膜炎であると考えよ!

だそうです。(神経内科学の権威のAdamsというひとが言っていたそうですが)

この症例は、まさに結核性髄膜炎が非常に疑わしい状況であり、
比較的速やかに抗結核薬による治療を実行してもよかったのかもしれません。
青木先生も 誰よりも早く使うでしょう とおっしゃっていました。





ところが・・・





結局、この症例に抗結核薬はRetrospectiveにみたら必要なかったのでは?という結論に至りました。



この症例では、抗結核薬を使用せずに髄液の細胞数が600から100まで低下しているのです。
糖が上昇してこないのは気持ち悪いのですが、この未治療下での細胞数の低下は結核性髄膜炎としては矛盾するそうです。



カンファレンスに出せば出すほど謎が深まっていきます。


今のところ、なにひとつ病原体を捕まえることができず、結核の治療を行っています。
臨床的にはよくなっているのですが、自然経過なのか、治療の効果なのか、ステロイドで元気になっているのかは不明です。



次回は11月5日の予定です。

また症例を出します。

乞うご期待。

2 コメント:

匿名 さんのコメント...

たまたま通りかかったものです。総合内科/GIM/IDなどをめざしている一内科医師です。ご提示の症例「原因不明の髄膜炎」でHIV急性感染症は除外されましたでしょうか。原因不明髄膜炎・自然軽快・なんだったのだろう?⇒数年後に日和見感染症でエイズ発症、のケースに多数遭遇します。感染リスクは隠蔽されてわからないことも多いです。ご存知のとおり、急性期ではHIV抗体は偽陰性がありえHIV-RNA検査が必要です。
もうすでにご検討済みであれば、蛇足ですのでご容赦下さい。 By総合内科医志望

S.F さんのコメント...

コメントありがとうございます。
先生のおっしゃる通り、当初われわれもHIVは否定できないと考えました。今確認したところ、HIV抗体は測られており陰性でしたが、RNAは検査しておりませんでした。担当医に伝えたいと思います。
貴重なご意見、ありがとうございました。またなにかお気づきの点がございましたらコメントしていただけると幸いです。