その様子を。。。
★症例①★
生来健康な50代女性
1ヶ月間続く発熱。
近医にて抗生剤数種類処方されるも一向に改善の兆しなし。
同時期より腰痛と両下肢(特に右下肢)の鈍痛としびれ感も自覚する。
38度以上の発熱が連日続き、左指のしびれ感も出現してきたため当院受診となる。
呼吸器症状なし。
腹部症状なし。
膀胱刺激症状なし。
食欲低下あり。
体重減少は測定しておらず不明。
盗汗なし。
老健で働いており、sick contactあり。
歯科受診なし。
海外旅行なし。
いわゆる「不明熱」です。
ここで、病歴による鑑別診断が始まります。
徳田先生は「発熱と下肢のしびれ」という部分からANATOMICALな鑑別を行なっていきます。
つまり、頭から
大脳⇒Encephalitis
小脳
脳幹
脊髄⇒Multiple sclerosis
末梢神経⇒Guillain-Barre syndrome
神経筋接合部⇒Myasthenia gravis
筋⇒PM/DM
という感じで解剖学的に鑑別を挙げていきます。
(これは私の記憶だけで書いているので実際に先生がおっしゃっていたことと多少違いますが。。。)
このような鑑別診断の進め方を勉強するには↓なんか良いのではないでしょうか。
身体所見・・・
バイタル特記すべき所見なし。
全身状態やや不良。
頭頚部異常なし。
胸腹部異常なし。
L4あたりのspine tendernessがある。
神経学的所見も、motor, sensory, DTRとも問題なし。
ただ左の尺骨神経領域の感覚鈍麻を認める。
IEを疑わせるようなPeripheral signもなし。
皮疹や関節の所見もなし。
Labo・・・
炎症反応の軽度上昇
Cr1.7mg/dlと腎機能障害あり
ESRが1時間で100mmと著明に上昇
尿中WBC100/HPF(しかしG染色ではBacteria認めず)
画像・・・
胸部レントゲン:WNL
Osteomyelitisを疑ってMRI施行するも異常なし
詳しくHistory/Physicalをとったところ、
どうやらこの患者さんの病態を一言で言うとこうなります。
「FUO+mononeuritis multiplex」
ちなみにmononeuritis multiplexをGoogleで調べたら↓を見つけました。
http://www.emedicine.com/pmr/TOPIC80.HTM
参考までに。
このあと当然serological testを出しまくるわけですが、
結局この方はMPO-ANCAが500IUと高値を示していました。
血管炎の可能性がぐんと上がったわけですが、やっぱり組織が欲しいところです。
本症例の場合、腎障害があるため、
腎生検にて病理学的な証拠をつかんでSteroid治療を行なう予定となりました。
★症例②★
60代男性
10年来のDMありインスリン治療中。
ADL自立。
この症例は、内科外来から「貧血精査で入院を」ということでコンサルトされました。
Hbが7台で、正球性。便潜血は陰性なんですけど。。。
ところがよくよく聞いてい見ると、いろんな問題が出てきます。
2,3ヶ月前からの全身痛
実際は多関節痛(頚部・両肩・両肘・両手首・背中・両膝)
両手の腫脹とこわばり
3ヶ月で6kgの体重減少
今回、徳田先生はETIOLOGICALな鑑別を進めていきました。
よく、Tierney先生が使う
Vascular:血管病変
Infection:感染症
Neoplasm:腫瘍
Toxic-Metabolic:薬剤・代謝・内分泌など
Autoimmune:自己免疫疾患 アレルギー疾患
Trauma-Degeneration:外傷・変性疾患
Congenital:先天性疾患
Iatrogenic:医原病 医療行為の合併症
Idiopathic:特発性
の、簡略バージョンみたなものです(?)
今回は、
感染症
膠原病
その他
この3つのカテゴリーでそれぞれ考えうるものを挙げていきます。
感染症であれば
化膿性関節炎
淋菌感染症
膠原病関連であれば
RA
PMR
RS3PE症候群
DM/PM
その他であれば
痛風
偽痛風
(・・・だったかな?これもうろ覚えです。。。)
この方の関節の所見としては、大関節には異常なく、
両手のMP関節・PIP関節の腫脹と指全体の腫脹、左第3指のボタン穴変形を認めました。
結局、RAPA、抗CCP抗体、MMP-3いずれも高値。
ということで、RAでした。
当初、原因不明の貧血あり体重減少も著明ということで惑わされましたが、
後からみるとRAにcompatibleですね。
◆今回のROUNDで感じたこと◆
鑑別診断にはいろいろな切り口がある
そして、
鑑別能力を身に着けるには
ひとつひとつの症例につき
ありとあらゆる鑑別を
頭の中で考えるトレーニングを
日頃からし続けることが大事
ROUND後、皆口をそろえて「内科おもしろい」と言ってました。
徳田先生、またよろしくお願いします!
0 件のコメント:
コメントを投稿