その様子を。
Case 1
40代の男性。
2週間続く発熱で精査目的に入院となりました。
頚部のリンパ節腫脹や寝汗、2kgの体重減少も伴っております。
他の情報としては、
北海道生まれ
ハワイに数年間居住
既婚
Smoker
亀を飼っている
「不明熱・リンパ節腫脹」ということで鑑別診断がさらさらと徳田先生の口から出てきます。
身体所見では頚部の10mmほどのリンパ節が両側に3,4個で圧痛あり、可動性良好。
鼠径リンパ節は触知するも圧痛なし。
肝臓、脾臓は触知せず。
Laboではリンパ球優位のWBC上昇。肝胆道系酵素の上昇が見られます。
大体ここまでくると診断が予想されてきますが、、、
ここで<teaching point>
◆亀。。。といえば、サルモネラ。(この場合は腸炎症状がでますが)
◆発熱ときたら、かならず「悪寒」の有無を。そして「悪寒」の程度を。
◆リンパ節腫脹は大体触診で予想した大きさより実際は5mmくらい大きい。
◆リンパ節腫脹は40mm以上はほぼ悪性。20mm以下だったら良性の可能性が高い。
◆鼠径リンパ節は正常でも触知する。(今回は頚部と鼠径でリンパ節を触知するが、鼠径の方では圧痛がないので病的意義はなさそうと判断する)
◆寝汗とは?誰でも寝ているときは汗をかく。「下着を替えるほど」かどうかを尋ねる!
◆肝臓のサイズを調べる簡便な方法。その名も「scratch test」(聴診器をつかうやつ)。研修医達は皆感動してましたね。下縁はこれで分かります。上縁は打診で。これで鎖骨中線上12cm以上で肝腫大を疑います。
結局、この症例では異型リンパ球が8.0%と上昇。
EB IgM、IgGが上昇しており、EBNAが陰性でした。
咽頭痛は入院後に出てきたそうです。。
最後に<teaching point>
◆IMの患者に対して脾臓の触診は強くやらない。破裂する可能性あり!!
Case 2
67歳女性。
主訴は頭痛。
2週間くらい前から頭痛と咽頭痛。
近医で抗生剤処方されるも改善なし。
そのうち口が痛くて開けられなくなってきた。
再び近医受診。炎症反応が高値ということで紹介。
頭痛は側頭部から後頭部。「触ると痛い・髪をとかすと痛い」
両肩の痛みもあり(本人は職業柄、年中痛いと言っているが)。
微熱、食欲不振あり。
Laboでは慢性炎症パターンの貧血とESR>100mmを認める。
頚部のCTでは明らかな腫瘍や膿瘍は認めず。
気になるのが
①口が痛くて開けられない
②髪をとかすと痛い
③ESR>100mm
②を聞いた瞬間、徳田先生の鑑別診断のトップに側頭動脈炎TAが浮上。
さらに①はもしかしてjaw claudicationではないか?
③はTAにcompatibleだ。
ということで、TAがmost likelyとなりました。
ブランチ先生も同意見です。
この方、両肩の痛みもあり、PMR症状かもしれません。
現在、側頭動脈生検を待っています。
ここで、意見が分かれたのですが、
「TAが疑われるとき、ステロイドはいつ開始するか?」
①ただちに。
②生検後。
ブランチ先生は②派です。ワシントンマニュアルにもpromptlyに開始するとあります。
徳田先生やウチのその他のスタッフは、眼症状がないから待ってもよいのではないかと言ってます。
最後に<teaching point>
◆「髪をとかすと痛い」はTAの有名な症状。
◆jaw claudicationは、下顎を支配する動脈の炎症による虚血症状。
◆内頚動脈が侵されるとBruitが聞こえる(この方は聞こえました)。
ということで、興味深い回診でした。
なんの準備もなしに出てくる鑑別診断とteaching point。
さすが徳田先生です。
次回も楽しみです。
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